現代妖怪 > かしまさん
さて、この「かしまさん」という都市伝説。実は他の都市伝説と深い係わりがあることをご存知でしょうか?
口裂け女、きじまさん、テケテケ、足売りババア...これらの都市伝説はこの「かしまさん」の要素と共通するものが多く、これらの話がかしまさんを元にした...もしくは逆にかしまさんがこれらの都市伝説の要素を吸収したと思われる部分が多々あります。
たとえば口裂け女ですが、この都市伝説の話のパターンの中で「口裂け女の本名はカシマレイコである」というものがあります。そして質問されて答えを間違うと危害を加えられる...という話の内容も類似しています。さらに、かしまさんの話のパターンの中には「父親(又は夫)から顔に硫酸をかけられた」「私キレイ?と聞いてくる」など、口裂け女でも語られている内容の物もあるのです。
また、「真冬の北海道で列車事故によって下半身が切断された女性が、寒さで血管が収縮して即死せず、上半身でしばらく這い回っていた...」という話は、テケテケの話と全く同じですし、交通事故で四肢を失い亡くなった人の霊が、犯人を捜すためにこの話を聞いた人の元へ包帯だらけの姿でやってくる...という「きじまさん」や、「足はいらんかね?」と質問してくる「足売りババア」もかしまさんの要素を含んでいます。
かしまさんは1970年代はじめから噂されていた事が、72年の「平凡パンチ」や同年12月に刊行された児童書「わたしは幽霊を見た」内で確認されています。前述の似た内容の都市伝説は、いずれもかしまさんより前に噂されていたことを確認できなかったため、おそらくかしまさんの話が変化していった派生都市伝説だと考えられます。逆に平行して噂が広まっていき、元のかしまさんに話のパターンが吸収されていった場合もあったと推測されます。
かしまさんの話はメディアでも取り上げられていましたが、怪談と都市伝説の中間ともいえる内容であったためか、後に爆発的な広がりを見せた口裂け女ほどメディアの影響は無かったようです。しかし「話を聞くと3日以内にやってくる」「3日以内に3人にこの話をすればやってこない」などの部分が、人から人へと伝わりやすい要素としてかなり強かったと思われます。
爆発的な広がりはありませんでしたが、それゆえ逆に熱がさめるといった現象も起きず、人から人へかしまさんは時間をかけ、じわじわと日本中に広まっていったのでしょう。その中でさまざまな派生都市伝説も誕生し、逆にかしまさんの話のバリエーションにも影響を与えていったのではないでしょうか。